AIツールを使いこなして開発生産性を拡大する弁護士ドットコム/クラウドサインによるCodeRabbitの導入効果を聞く


「プロフェッショナル・テックで、次の常識をつくる。」をミッションとして、 契約マネジメントプラットフォーム『クラウドサイン』や人々と専門家をつなぐポータルサイト『弁護士ドットコム』『BUISINESS LAWYERS』『税理士ドットコム』などのサービスを展開する弁護士ドットコム株式会社。多くのエンジニアを抱える同社では、エンジニアの生産性向上を重要視しており、多くの施策を実施しています。その一つとして、AIツールの活用を挙げています。
弁護士ドットコム社では、AIツール活用の一端として、CodeRabbitを利用いただいています。今回はその体験と実践的活用について、クラウドサイン事業本部の須山さんにお話を伺いました。
レビュー負荷が課題に
須山さんはクラウドサイン事業本部において、バックエンドエンジニアとして、システム基盤のリファクタリングやリプレイスに重点的に取り組んでいます。リファクタリングを進める中で、大規模なコード修正が発生し、そのためのコードレビュー負荷が大きかった点を課題に挙げています。
「既存システムのAPIをリプレイスしようと思うと、そのエンドポイントが3桁になることもあります。そうなるとレビューの負荷は非常に高くなります。リクエストとレスポンスを細かくチェックする必要があり、人的ミスも発生しやすくなります。」
そうした中で、レビュー負荷の軽減を目指して導入したのがCodeRabbitになります。
「当社ではエンジニアの生産性向上を重視しており、AIツールの導入にも積極的です。レビューの効率を上げたいと考え、CodeRabbitを導入しました」
導入要因となった3つのポイント
CodeRabbitに期待したポイントとして、機械的なチェックに強い部分を挙げており、ケアレスミスを減らすのに役立つと考えたとのこと。そして、導入の決定要因として、3つのポイントを挙げています。
1点目は、プルリクエストの自動レビューと変更内容のサマリーが、レビューの効率化に役立つと考えたことです。実際、コードの確認作業がスムーズになり、レビュー時間の短縮につながっています。
2点目は、コスト面での利点です。他のツールは従量課金制が多く、使用量によってコストが増減するため、予算の管理が難しい側面がありました。一方、CodeRabbitはサブスクリプション型のため、一定のコストで運用でき、予算の見通しが立てやすい点が評価されました。結果として、上層部への説明もスムーズになったとのことです。
そして、3点目としてセキュリティが挙げられます。セキュリティを重視するクラウドサインにとって、認証認可周りをはじめとしたコードを外部ツールに出して良いのかという議論が出ました。そうした中、CodeRabbitはコードを外部に出さない(学習しない)仕組みがあり、安心して利用開始できたとのことです。
「導入検討していた時に、外部勉強会で知り合った他社の優秀なエンジニアの方が絶賛しており、当社でも試験導入してみたところ、予想以上の効果があったため本採用に踏み出しました」
CodeRabbit導入による効果
こうしてCodeRabbitを導入したクラウドサインですが、その効果を須山さんは実感していると言います。
「エンジニアの生産性向上に大きく寄与していると感じます。レビューの負荷が軽減され、エンジニアが開発に集中できる環境が整ってきています。ケアレスミスをCodeRabbitがチェックしてくれるので、レビューの質向上にもつながっています」
特に、変更内容をサマライズする機能が、レビューの時間短縮につながっているとのこと。その結果として、開発プロセス全体がスムーズになり、チーム全体の生産性向上とプロジェクト進行の加速につながっています。
「CodeRabbitの学習機能が便利だと感じます。徐々にレビューの精度が向上しており、エンジニアがより良い提案を受けられるようになっています。チーム内でのコミュニケーションが円滑になっているので、開発品質の向上を実感しています」
運用上の工夫
クラウドサインにおける運用上の工夫として、path_filtersの活用を挙げています。path_filtersを利用し、特定の言語やファイルパスに基づいてレビューをカスタマイズしています。たとえば、Go言語のコードに対して特定のレビューを行ったり、特定のパス以下のファイルをレビューから除外したりするといった具合です。これにより、不要なレビューを避け、効率的なコードレビューが可能になります。
また、path_filtersによって自動生成されたファイルをレビュー対象から外すことができます。こうした設定はレビュー精度を高め、開発者の負担軽減につながっています。
「path_filtersの設定はYAMLで宣言的に行えますし、後からの修正も容易で便利ですね」
クラウドサインでは設計書もリポジトリで管理されており、コードと同様のレビュープロセスを経るようにしています。そうすることで、早期の課題発見、解決につながっています。各リポジトリでは .coderabbit.yaml
のプロンプトをカスタマイズしており、プロジェクトに最適化されたレビューを得られるように工夫しています。
CodeRabbitへの期待
CodeRabbitの導入について、社内でも良好であると須山さんは述べています。エンジニアからは、コードレビューの効率化やケアレスミスの減少といったポジティブな反応が寄せられており、全体的な開発生産性の向上に寄与しているとのことです。また、AIによる実装提案機能も、コードの質を高める上で有用であると評価されています。
そして、今後さらに期待したい機能として、独自のLLM切り替え機能を挙げています。
「よりクラウドサインや弁護士ドットコムに最適化されたLLMを利用できれば、エディタやレビューツールを同じ目線で利用できて、さらに生産性向上が期待できそうです」
CodeRabbitは、今後もさらなるレビュー精度の向上と機能追加を通じて弁護士ドットコム/クラウドサインの開発生産性向上に貢献します。
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