フィヨルドブートキャンプがCodeRabbitを導入した理由とその効果


株式会社ロッカが運営するフィヨルドブートキャンプは、実践的なカリキュラムを通じて現場で通用するエンジニアを育成するプログラミングスクールです。GitHub上で開発を進めるチーム開発や、ポートフォリオ制作を通じて、技術力だけでなく開発プロセス全体を学べる環境を整えています。
現在、fjordllc/bootcampのリポジトリにてCodeRabbitが導入されています。その導入に至った経緯、活用について運営責任者の駒形 真幸さんにお話を伺いました。
生徒数が増える中でレビューの遅れが課題になった
フィヨルドブートキャンプでは、生徒同士のレビューからメンターによるチェック、最後に代表である駒形さんによるレビューという多段階のプロセスでコードを確認しています。実務に近い開発体験を得られる一方で、レビュー待ちが発生すると学習の流れが滞るという課題がありました。
特に受講生が増えた際にレビューが集中し、対応が追いつかなくなることで、リリースまでに時間がかかってしまう状況が生まれていました。生徒からの不満にもつながるため、改善の必要性を強く感じていたと話します。
駒形さんは「レビューが終わるまでに時間がかかってしまって、生徒の不満につながることがありました」と振り返ります。
複数ツールを比較し、CodeRabbitを選定
レビュー工程を補完するツールとして、当初は複数のAIレビューサービスを検証していました。他のレビューツールも試したものの、レビュー内容の精度や納得感にばらつきがあったといいます。
そうした中で、CodeRabbitはレビューの的確さや不要な指摘の少なさが際立っていたとのこと。実際のPull Requestで何本か比較した結果、フィヨルドブートキャンプの運営体制やレビューのスタイルにも合っていたことが導入の決め手となりました。
「CodeRabbitの指摘が圧倒的に良かったですね」と駒形さんは振り返ります。
AIの指摘にどう対応するか、あらかじめルールを設けた
AIツールを教育の現場に導入する際、懸念されるのは「AIの指摘に納得できない場合の対応」でした。これに対し、フィヨルドブートキャンプでは、AIの指摘に対してはコメントで理由を説明すればよいという明確なルールを整備しています。
この運用により、生徒がAIと対話する感覚でレビューを進められるようになり、混乱なくスムーズに運用が進んでいるとのことです。
駒形さんは「思っていたより問題が起きなくて驚きました」と導入当時の印象を語ります。
CodeRabbitは運営側が導入しただけでなく、生徒にも自然に浸透しています。GitHub上のポートフォリオとなる自作サービスの開発に、自主的にCodeRabbitを組み込む生徒も現れています。
SNS上でも生徒の好意的な反応が確認できており、現場での受け入れの早さとスムーズな導入が伺えます。こうした流れは、学習者自身がAIツールを使いこなすきっかけにもなっているようです。
今後はフロントエンドコースにも導入を拡大予定
現在CodeRabbitは、Ruby on Railsを使ったバックエンドのリポジトリに導入されていますが、今後はJavaScriptを中心とするフロントエンド側への展開を検討しています。導入から一定期間が経過していますが、CodeRabbitのレビュー機能に対して特に不満はなく、当初の目的であったレビューの迅速化が実現できているといいます。
フィヨルドブートキャンプの取り組みは、教育機関におけるAIレビュー導入の好例といえます。レビュー待ちの負担を減らしつつ、生徒の自走を促すというバランスの取れた運用は、多くの開発現場にも応用可能でしょう。
「レビュー待ちの時間がなくなることで、生徒の学習リズムが崩れなくなったのが大きいです」と、駒形さんは今の成果を語ってくれました。
CodeRabbitは今後もAIコードレビューを通じてフィヨルドブートキャンプ、ならびに生徒の方々の学習をサポートしてまいります。
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